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2014.10.23 Thursday

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2011.06.28 Tuesday

僕率イン歯ー、または世界のくしゃみ

僕の歯は28本ある。

いや正確には、27.5本ある。



生まれたときには口の中に1本も生えていないのに、
やがてにょきにょきと乳歯が顔を出し、
そして永久歯へと生え変わる。

親知らずを含めると成人男性の歯の本数は32本。
しかし数年前に、4本まとめて抜いてしまった。



さて、永久歯。

「永久」とは名ばかりで、
結構簡単に虫歯になったり、欠けたり、折れたりする。

歯槽膿漏になってしまうと、
根っこを掘り返された切り株のように、土台からぐらぐらになってしまう。



で、何が言いたいのかというと、
落車には気をつけましょう。

もしもあなたが30代から入れ歯生活を送りたくなければ。


28本中0.5本の歯を失っているので、自前の歯は約98%ということになる。




ちなみに、この歯を抜いたのは今年の3月11日。

地震で落ち着きを失っている世間にも動じずに、
歯医者さんは淡々と治療をこなしていた。






JUGEMテーマ:歯の健康 




2011.06.26 Sunday

待ちます 溜めます 堪えます そしてがっつり頂きます

『お気楽ポタ』お流れの影響は根深い。

特別な才能があるわけはなく、何事においても平凡な僕が、
「えっ、こんなことできるの!?」「そこまでやれちゃうの!?」
と自分自身に対する驚きを与えてくれるもの、それがロードバイクだ。

そのために人が嫌がる? キッツイ道に嬉々として挑戦し、
走破したときの喜びを得ようとしている。

その意味においても、「道志みち〜富士スバルライン」は外せない難ルートだった。


それに加えてここ2,3日は焼肉やらパスタやらラーメンやら、
運動もしていないのに食べ過ぎの感もあった。


これまで焦らさせ、悶々とした気持ちを溜めこみ、堪えてきたけれど、
もう我慢の限界。

がっつり行くしかないでしょう!


しかし、意気込みとは裏腹に、今日はCMMメンバーの都合が悪い。
しかたなく、とりあえず富士五湖方面へ向かうこと以外には何も考えずにスタートを切る。



単純に富士五湖へ向かうのなら、
芦川から若彦トンネルへ向かうルートが傾斜もきつくなくて走りやすい。
しかし、先ほど書いたとおり今日はがっつり行きたい気分。
そこで今まで走ったことがない、鳥坂峠の上りにチャレンジする。

しかし走りなれていないせいか、一本南側の境川集落を上ってしまった。

実は途中の時点でうすうす気がついてはいたのだけれど、
ひょっとしたらこのルートでも富士五湖に抜けられるのでは、
という根拠のない思いが湧き上がり、激坂区間を数キロ上る。
しかし、地元の人からとてもロードバイクで走れるような路面状態ではないと聞き、撤退。
無駄に足を削る。

改めて鳥坂峠にチャレンジ。
下からウッドストックCC、怪しげなアーチェリー場、そして神木が祭られている。
さっきほどのキツい斜面が続く道ではないものの、
距離が8kmと長くて途中激坂ポイントもあり、結構ツラい。
途中10km/hを切るような体たらくぶりで、ひいひい言いながら新鳥坂トンネルを抜ける。


気持ちよく下っていると、前方からロードの3人組が。
あれ? アオさん、KOHさん、スガッチさんじゃない!? 今日は走らないのでは?
慌ててUターンし、3人に追いついてから話を聴くと、メールをしたとのこと。
確認すると、確かに僕が走りはじめた後にメールが来ていた。
受信したことにすら気がつかなかった・・・。
3人に付き合って再びトンネルまで上り、またまた無駄に足を使う。
まあ、今日はこういう日なのだろう・・・。


再び下り、途中フォルジークのメンバー4人ともすれ違いつつ、
芦川の農村物直売所でコーラを飲む。
小休憩していると、LOOKとINTERMAXの二人組のおじさんがやってきた。
特にLOOKは前々からある種の憧れを抱いていて、いいバイクだな〜と思いつつ、
いやいやまずは鍛えるのが先決、と己を諌める。

若彦トンネルを越え、河口湖へ。

湖畔の周回道路は、だいたいの車が40〜50km/hでのんびりと走っている。
ので、エアポケットを利用させてもらえば楽に早く走ることができる。
しかしながら脇道から車が出てきたり、前が詰まったりして、
実はただのインターバルトレーニングになっているような気がしなくもない。


ここで昨日走るはずだった山中湖方面へと舵を切る。
いつものことだけれど、休日の国道は混んでいて、自転車のほうがむしろ早い。
ロードもいっぱい走っている。
彼らは富士スバルラインへ向かうのだろうか・・・?
しかしウィンドベストすら持っていない装備では木の棒で竜王に立ち向かうようなものなので、端から話にならない。


久しぶりの山中湖へ到着。


ロードバイクで来るのはまだ2回目だ。



白鳥がふよふよして、


怪しげな雲海が迫っている。
しかし、山中湖はいつもこんな感じだというイメージがある。


実は、ここまで来たのはある目的があった。
会社の同僚から、美味しい鹿肉を食べられる店がある、と聴いていたのだ。
いいねぇ、鹿肉。新鮮なのをがっつりいきたいねぇ!

ウキウキしながら詳細を確認するために電話すると・・・
え? 精進湖の間違い!?

己の迂闊さにガッカリだ・・・



目標を失い、ぼんやりと湖畔の白鳥を眺めていると、ふとあることに思い当たる。

そうだ、道志みちを走ってみよう!


思い立ったが吉日、さっそく未走破ルートを開拓すべく、道志みちへ。

山中湖から相模湖方面へ走る道志みちは、山伏トンネルまでアップが続き、その後は延々とくだりが続く。
ということは、逆方向から走れば・・・
わかりますね、皆さん?

車の通りは少なく、自然も豊富で、国道20号より遥かに好印象。
やはりいつかは、逆ルートもチャレンジしなければ!


道の駅どうしに寄り、昼食にする。

ここで新たな問題発生。
何も考えずに家を出たら、鍵も忘れていた。
鍵がなければ、自転車を外に置いて施設内での飲食は、盗難の危険を伴う。

しかし、拾う神みっけ!


テイクアウト可能で、なにやら美味しそうな予感が・・・


おからドーナッツと豆乳アイスを買う。


6個入りのおからドーナッツ。
ヘルシーだし、力が出そう。



・・・ですが。


・アイス ⇒ 甘さ控えめ。ロードバイクで消耗した体には控えめすぎる。
・ドーナッツ ⇒ 明らかに何人かで分けて食べるべきもの。
         同じ味のドーナッツを6個、ひとりでもさもさと食べるのは厳しい。


結果的にすべての原因は自分自身に帰せられるわけだけど、
明らかに需要と供給がアンマッチだった。

ただしこのランチのおかげで、この後の行程を生き延びることができたのもまた、事実。



休憩を終え、道の駅を出る。
時刻は12:00過ぎ。
このまま相模湖まで道志みちを下っていくと、時間がかなり遅くなってしまう。
かと言って今下っていた道をそのまま戻るのも、気が進まない。
とりあえず更に相模湖方向へ下る。

すると、都留へと抜ける峠道を発見。
これ幸いと左折し、道坂トンネルまでの峠を堪能する。
鳥坂峠ほどキツくないけれど、蓄積されたダメージが結構堪える。
なおかつ、あとどれだけ走れば終点なのかという目安がないので、精神的にも結構ツラい。

しかし一方で、どれだけ長かったとしても富士よりはマシでしょう、という余裕もある。
これは峠を走る上での、大きなアドバンテージだ。


道坂トンネルを過ぎると都留まで一気に下る。
余勢を駆ってそのまま大月まで。

見慣れた(しかし交通量が多くて走り慣れない)道、国道20号に到達する。


ここからは緩やかに上り、上り、上る。
選挙運動車がやかましい20号をひたすら西進し、新笹子隋道を抜ければ甲府盆地へ帰還だ。


しかし、これでは面白くない。
なんたって昨日は道志みちを走った後、富士まで上る予定だったのだ。
まだまだ甘い。


――ということで、本日最後の峠、笹子峠へ。

笹子峠は県道のせいか道がそれほど広くなく、ひっそりとしている。
しかしそれが良い。
上っているのに癒される、筋肉を酷使しているのに気持ちは涼やかになっていく。
鳥坂峠、道坂トンネルも峠道なのに、この違いは何なんだろう?

それは結局、車が頻繁に通るか否か、ということなのだろう。
前者が峠道なのに対し、後者は林道なのだ、と言ってもいいのかもしれない。

頂上の手前にある『矢立の杉』に立ち寄る。
静謐かつ荘厳。

ヒグラシの鳴き声が森の中に響き渡る。



最後の峠を越えれば、あとは帰るだけだ。
甲府盆地に突入し、広域農道を経由して帰宅。


がっつり走った、暑い一日だった。

(走行中の水分補給3L以上、帰宅してからも同じくらい。
日焼けで服の境目がエライことになりました・・・)



走行距離 179.36
走行時間 7:06:06
平均速度 25.25
最高速度 73.47
平均ケイデンス 77
平均心拍 134
最高心拍 163







JUGEMテーマ:ロードバイク総合
2011.06.25 Saturday

TOKYO Walker

6/25(土)PM

・東京都
・山梨県中西部
・山梨県東部
の降水確率は60%。

これが昨日(6/24)朝時点での天気予報。
いたって真面目に馬鹿なことばかりやっている(と周囲に思われている)、
自転車中毒者と言えども、この状況で富士山五合目を目指すのはかなりのハードル。

やむなく大人の判断を下し、今回の
『道志道〜富士スバルラインお気楽ポタ』
はDid Not Startとなった。

参加(徴兵?)者の悔し(嬉し?)涙が、荒川を溢れさせたという話である。

僕も磨き上げたアッソルトをガレージに残し、電車で出張に出かけた。




明けて、今日(6/25)。

・・・雨傘のマークが消えてる。




仕方なく、久しぶりに23区内をウロウロすることに。

馬喰町で降りて、隅田川周辺を散策する。


両国には実にマニアックなショップ、スポーツサイクルいちかわが存在する。

年代モノのクロモリロード、旧パーツ等をわんさかと在庫し、
店舗の寂れ具合とあいまって、濃厚な昭和臭を漂わせている。
つまりは並々ならぬ自転車屋。


両国には旧安田庭園もある。

市中の山居の趣。

しかし、普段郊外のロードをおなかいっぱい体験していると、おもちゃのように感じる。
それすら笑って愉しめるのが、真の粋人なのだろうけれど。



隅田川遊歩道の相撲絵図を眺めながらテクテク歩き、
疲れたらベンチに腰をおろして文庫本を開く。



そして外せないのがTOKYOWheels

こういうショップが山梨にもあればなぁ・・・
というか東京ですら、ここにしかないのだけれど。

それにしても・・・

調子に乗って買いすぎ!

一瞬にして財布から潤いが失われ、砂漠化突入。
東京砂漠とは、物欲に負けた敗者が堕ちていく場所らしい。

他に揃えるべきもの(ペダルとかシューズとか)があるだろう!
という批判を受けるのは承知しております・・・。




そしてTOKYOWhellsのお兄さんに教えてもらったVerde Regaloでランチ。


やや塩が強いけれど、しっかりとした味付けで素材も生きていて、美味しい。
しかも大盛り、パンのおかわり無料、デザート、ドリンク付。
これで¥1000は安い!

定番コースになりそう。



帰りの特急「あずさ」車中で、
今回の旅の友、カズオ・イシグロ『遠い山なみの光』を読了。

数年前に購入したものの文体に馴染めず一度断念した本だったのだけれど、
再挑戦した。

読み進めていくにつれ、実は壮大な物語だということがわかり、
この内容を残りの限られたページ数でどのように収めていくのか気になった。
しかし結局、主人公の価値観が180度変わる場面(僕が一番読みたかった)については、
気持ちがいいくらいまったく触れられないままだった。

この人のスケールはもっと長い物語の中で生かされるような気がする。
評判が良い『日の名残り』『わたしを放さないで』あたりを読んでみようかな。




長い長い笹子トンネルの暗闇を特急「あずさ」が抜けると、
まさに『遠い山なみの光』に甲府盆地が明るく照らされていて、
臨席の大学生がため息を漏らした。



JUGEMテーマ:東京散歩


2011.06.21 Tuesday

失われた灯火を求めて (パート2)

6/21(火)

あの光景をもう一度見たくて、会社帰りに再び下部温泉へ。


中心にぽつんと光っているのが・・・見える!?
コンデジのクオリティではこれが限界。


平日の夜だと言うのに、何故か観光客が多かった。

日曜日は人気がなく、まったくの暗闇だったので、まさに異世界の様を成していたのだけれど、
この日は賑やかで、月の光もぼんやりと届いており、もっと現実味を帯びていた。


年配の夫婦が転ばないように手を繋ぎながら歩き、一眼レフを持った写真家が三脚をセットし、
恋人同士がうっとりと見入っている。
そこやかしこから「綺麗だね」「いっぱいいるね」と感嘆の声が聴こえてくるのも、
これはこれで人間らしいと言うか、蛍の鑑賞としては良い雰囲気だと思う。


成虫になった蛍の寿命は1〜2週間。
岩に染み入る声をあげる、蝉と変わらない。
(そういえば近年は蝉も少なくなってきたような気がする)


儚いものに惹かれるのは、日本人の性質なのかもしれない。



走行距離 82.98
走行時間 3:03:01
平均速度 27.20
最高速度 51.33
平均ケイデンス 87




JUGEMテーマ:ロードバイク総合


2011.06.19 Sunday

失われた灯火を求めて (パート1)

6/19(日)

僕にはものごころついてから蛍を見た記憶がない。

それはただ単に忘れてしまったからかもしれないし、
あるいはあまりに幼すぎて、覚えていないのかもしれない。

だから先日、偶然蛍に遭遇したときはとても驚いたし、
また感動もした。

しかし、あれほど力強く感じた蛍の灯火が、
日を追うごとにぼんやりとかすれていく。
同じ道を通っても、また櫛形のほたるみ公園を探索しても、
あの光に出会うことができない。

遂には、ひょっとしたらあれは見間違えだったのではないか、とすら思うようになってきた。



この日、CMMは八ヶ岳方面へのツーリング。

・・・ということは、帰りは七里ヶ岩ラインを激走となることは、想像に難くない。

それはさておき、日中に用事があるため、
最初の一、二時間だけみんなに同行しようと思っていたのだけれど、
朝起きて早々、父に畑の草刈りと桃の疎抜き
(果実を大きく育てるために、枝についている余分な実を落とす作業。地味です。時間がかかります)
を言い付かった。

さくらんぼシーズンが終わったとはいえ、農業は忙しい・・・。



そこで夜になってからアッソルトにまたがり、家を飛び出した。

目的地は下部温泉。


相変わらずペダリングがギクシャクしている。
軽く早く回す、というのがうまくできない。
ハムストリングスを使えていない。

なんてことをひとりでぶつぶつつぶやきつつ、国道52号を南下する。

夜なので峠道を避ける、つもりが、峡南橋に到達した時に何故か左折して渡ってしまい、
六郷の峠を越えることに。
習性というものは恐ろしい。

峡南高校を通り過ぎ、峠の手前の橋まで来ると、ふわっとした光が見えた。
――蛍だ。
これは幸先が良い。

そう。
目的地、下部温泉は蛍の名所。
あの灯火を求めて走っている。

文字通り真っ暗な峠を越え、国道300号と合流し、
さらに下ると下部温泉への入り口に辿り着く。


日曜の夜のためか、観光客はまばらだ。
しかし温泉街の光が、旅情を感じさせてくれる。

蛍の名所、湯町ホタル公園(そのまんまのネーミング)はずっと奥まった位置にある。

期待に胸を膨らませ、足取りも軽くダンシングする。

しかし、公園には車が一台止まっているだけで、
本当に大丈夫か心配になる。

とりあえず自転車から降りて、手で押しながら公園を散策する。
とは言っても突き当りが行き止まりとなっている一本道なので、同じ道を往復するだけだけど。


いた!

蛍の群れが真っ暗な闇の中に光り輝いている。

数10匹、いや、100匹以上?

思わず足を止めて、ぼんやりとその光景に見入ってしまう。

あまりに幻想的で、足元がふわふわと浮遊しているような感じがする。

蛍の光は力強いのに優しい。


写真を撮ってみたけれどまったく写っていない。

けれども、それはそれで構わないような気がする。


足元を照らす灯篭の中心に、光を消した蛍がうっすらと浮かび上がっている。


とにかく大満足。

素晴らしい夜だった。








JUGEMテーマ:ロードバイク総合
2011.06.18 Saturday

森の中へ

甲府盆地は朝から厚い雲に覆われていて、午後は雨の予報。
今にも一雨きそうだな、と思っていたら、
アオさんからメールが届いた。

『残念ですが、雨が降ってきました。
今日は中止です。
(ジャージ&レーパンに着替えたのに…)』

ジャージ&レーパンに着替えて残念なのは僕も同じ。
しかしまだ雨音は聞こえない。

最近デダチャイに御無沙汰していて、感覚を取り戻したかったこともあり、
せめて雨が降るまで近所でも走るか、と家を出た。

外に出てみると意外と明るい。
とりあえずウェスタンラインを走るつもりで西へ行く。


僕はロングライドをデダチャイストラーダ アッソルト、
通勤&街乗りをビアンキ ピスタ ドロップと使い分けている。
しかしここ最近はピストの乗り味が面白くて、
ある程度平坦な道のりで50kmくらいまでの距離なら、ビアンキをセレクトすることが多かった。
(一度アップダウンに対応する為にビアンキをフリーにしてみたけれど、
ただの『ギアがないロードバイク』で面白くもなんともなかったので、
すぐに戻しました…)
しかし来週末には荒川軍団と恐怖の同志道〜富士スバルライン?長征が控えているので、
感覚を取り戻したかった。


そこで久しぶりのアッソルト。
・・・走り方がわからない。

具体的には 『軽いギアでくるくる回す』 ことができない。

う〜む、これはビスト症候群か?


そうこうしているうちにウェスタンライン到着。
傾斜9%の坂を上り切り、空を見上げると、雲は低いもののまだ薄く、すぐに雨が降る様子はない。
ここでいつもの気まぐれが出て、櫛形山林道へ右折する。

去年は散々お世話になった、言うなれば我が道だけれど、今年は初めての走行だ。
ということはアッソルトではじめてのアタックでもある。

三大王子神社の前を通り過ぎると、すぐに斜度10%以上の坂が待ち構えている。
鳥の鳴き声がどこまでも響き渡る静かな森の中を、ダンシングでぐいぐいと上る。
ああ、この感じこの感じ。
懐かしい。

しばらく走っていると木陰でがさがさと音がして、猿の群れが姿を現す。
荒い息を吐きながらうつろな視線を向けると、しんがりの一匹と目が合う。
すると猿は身を翻して森の中へと消える。

その後も別の猿の一団と出会う。
総勢10匹余り、今日は猿めいている。


一際上りがキツいつづら折りを超え、
やや斜度が緩む地点に到着すると、またもやこちらを見ている視線を感じる。
目を向けると立派な角を生やした、大きな鹿がいた。
足を止め、鹿を刺激しないようにゆっくりとサドルバックからコンデジを取り出す。
ーーと雄鹿は躍動し、消えてしまった。
鹿にとってはデジカメだろうが猟銃だろうが、狙われていることには変わらない。

なんだか今日は獣めいている。


ゲートまで達するとこのルートの難所は終わりを迎える。
そのあとも上りは続くけれど、やや斜度が控えめになり、ところどころで平坦基調の道もあらわれる。

途中、桃の木温泉方面への分かれ道が開通していた。
去年はずっと通行止めだった道だ。
今度来るときは、走ってみよう。


櫛形山の山頂を目指し、小さな滝を超える。


すると間もなく、見晴らし台へ到着する。


雲の真っ只中にいるので、周りがまったく見渡せない。
登山客の車が3台ほど停まっていた。

しかし、ここまで走ってくるとヒルクライムの感覚は取り戻している。
やはり上りはパナモリよりも楽で、身体もそれほど疲れていない。


ここからまだ少し上りが続く。
するとまたがさがさ、と草陰から音がする。
今度はなんだろう? と思いつつ目を向けると、
高さ2m弱、毛の長い、真っ黒な四足の獣がそこにいた。

馬ではない、鹿でもない。熊にしては細い。
まるで『もののけ姫』から迷い出てきたような獣だ。
何者?

刺激を与えないようにゆっくりとペダルを踏むと、やはりあっという間に姿を消してしまった。
と同時に右手側からも音がして、同じ獣が山の中を駆けあがっていくのが見えた。


水気をたっぷりと含んだウェットな路面なので、下りには気を使う。
おまけにところどころ排水溝の網が取れていて、危険だ。

両輪のブレーキを効かせながらのダウンヒル、というほどのスピードは出ていない。
丸山林道との合流点にぶつかって、なおもひたすら坂を下っていくと徐々に霧が薄くなっていく。
森を抜けると景色がぱっと広くなる。
平林の集落だ。


ここから下界(増穂市街)まで一気に駆け下る。
道は広く、路面状態もドライで危な気ない。
ようやくまっとうなダウンヒルを楽しむ。


あとはお決まりの、富士橋〜みたまの湯へと続く広域農道のアップダウン。
市川三郷のお城で甘々娘の収穫祭が行われ、賑わっていたのを除けば、いつもと変わらない。
みたまの湯手前の長い上り坂の途中で、ダレてしまうのも変わらない。
下ハンを持って、ダンシングで坂を駆け上がっていくのがどうも苦手だ。
練習が足りないのか、根性が足りないのか、それとも両方なのか・・・?

林道、広域農道と、結構な負荷をかけたおかげでもうぐったり。

今回はロード勘を取り戻すことに、時間を費やしてしまった。

AM11:00帰宅。
その直後に雨が降ってきた。

時間を有効に使えた気がして、悪くない。



走行距離 72.37km
走行時間 3時間16分52秒
平均心拍数 125
最大心拍数 161
消費カロリー 1675
平均速度 22.05km/h
最高速度 61.32km/h
平均ケイデンス 69






JUGEMテーマ:ロードバイク総合
 
2011.06.12 Sunday

祭の終わり

今日Mt.富士ヒルクライムに参加された方々、
お疲れ様でした。

数日前まではどうなることかと思ったけれど、
奇跡的に天候が回復して何よりでした。

やはり富士には神が宿っているのか・・・


そして今夜の雨で我が家のさくらんぼシーズンもほぼ終わり。

売上は例年の半分くらいだけれど、
梅雨入り、台風の影響を考えると、
思ったよりはひどくない、というところかな。

ちなみにウチは他の農家よりも何故か一週シーズンが早いので、
山梨のさくらんぼが美味しく食べられるピークは来週ですよ!
(高速道路1000円も来週までだし)


さぁ、次の祭の準備をはじめるとしますか。





JUGEMテーマ:ロードバイク総合
 
2011.06.11 Saturday

昨日は定時のチャイムが鳴ると同時に会社を出て、

日が暮れるまでさくらんぼを捥いで、

宅急便の締切時刻ギリギリに営業所へ持ち込んだ。



そして佃煮をおかずに丼一杯のご飯を食べて、

肩のストレッチングをしてから、

ナイトライドに繰り出した。



ウェスタンラインへと続く緩い高配を、ひたすら西へ走る。



家を出て15分くらいだろうか、

細長い堰の上に、小さな光をひとつ見つけた。



光は自分の居場所を確かめているみたいに、

石造りの堰に寄り添いながら、ゆらゆらと揺れていた。



それは幻というにはあまりに力強く、現実感に溢れていて、

クランクを一回転させる間に僕はそれが蛍だったと気づいた。



あれから三か月が経つけれど、

生きとし者も死せし者も、未だに弔われてはいない。



けれども蛍は消えず、輝き続けている。





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